バック・トゥ・ザ・フューチャーPART4で脱炭素を!

 

100年後の気候危機を絡めたストーリーで「PART4」を作り、地球温暖化防止の気運が高まれば素晴らしいと思うのです。今年は1986年に公開された「トップガン」の続編マーベリックが大ヒットしました。バック・トゥ・ザ・フューチャーの続編の話もありましたが、実際に進行しているのか?私には知る由もありません。もしも続編のPART4の話が進んでいるなら、PART5で気候危機をテーマにしたバック・トゥ・ザ・フューチャーを作ってもらえないか?と願い私なりにストーリーを考えてみました。

素人が書いたストーリーであるため、修正が必要な部分も多く読みずらいかもしれません。音声読み上げ機能を使用すれば1時間程度で聞くことができます。その内容は、想定される最悪の未来(2085年)の気候変動を知ったマーティーとドクが、新型コロナ・ウクライナ戦争で停滞した2020年代に戻り、地球を救うというストーリーになっています。

当サイトのテーマは「STOP地球温暖化&内戦・紛争のない美しい地球を!」ですが、今年のCOP27でゼレンスキー大統領も「平和なくして温暖化対策なし」と訴えました。地球全体の一致団結が必須の地球温暖化防止という課題は、争いをなくす事が前提であると私も考えています。昨今ではウクライナ戦争の余波で軍事費の拡大が各国で進められています。地政学的に大きく様変わりしている現状を考えると理解できる面もありますが、軍拡=防衛・抑止?だけに向かうのは危険で、軍拡では平和を手にすることはできません。理想は外交的対話を加速させて軍縮=防衛・抑止?に向かうことを考えるべきです。これらの内容もPART4のメインテーマとしてストーリーに入れております。

私が考えたストーリーは追加・修正する必要がありますが、地球温暖化に関心のある方やバック・トゥ・ザ・フューチャーのファンの方々のお力を借りて完成できればと願っております。そして・・・・・・・!?恥ずかしいので、これで終わりにします。

 

私が考えたPART4のストーリーです・・・

まず始めに、ストーリーの設定などで多少異なる点があると思いますが、その点はご了承ください。

あれから40年が過ぎ、初老を迎えたマーティは妻のジェニファーとヒルバレーで幸せに暮らしていた。息子のマーティ・マクフライJr は早くに子供を授かり、孫のマイケル・マクフライは17歳になっていた。マーティは孫の姿を見ていると、若かりし日の自分をつい思い出してしまう。エメット・ブラウン博士(ドク)は元気だろうか? ジェニファーが「マーティ!ついにこの時が来ましたね!」と言い、マーティは「そうだね準備しなければいけないな! 」と答えた。2人は書棚からアルバムを取り出し写真を選び始め、そしてマーティは手紙を書き始める。「親愛なるグリフ!11歳の誕生日おめでとう!~~」

ドクは妻のクララと2人の息子(ジュール、ヴェルヌ)と1907年で暮らしていた。歴史を変えることに慎重なドクは、自分の知識を封印し、この時代の製品を改良する仕事を生業としていた。機関車をベースにしたタイムマシーンは取り回しが悪いため、新たにデロリアンをベースにしたタイムマシーンを作り、その改良に励んでいた。ある日ドクは2085年の未来の夢を見た。その内容は「ドクよ2085年にマーティと来てくれ!」とマーティの宿敵ビフ・タネンが何度も呼びかけてくる悪夢であった。その夢を度々見るようになったドクは、2085年の未来で何かが起こっていると確信し、デロリアンで1985年のマーティの元へ向かった。

疲れ切って寝ているマーティに、ドクが「マーティ!2085年の未来で何かが起きている」と言い、ビフ・タネンの夢について話した。「私の感だが未来のマクフライ家に何か重大な事が起こっているに違いない、マーティ!2085年にバック・トゥ・ザ・フューチャーしよう!」マーティが「100年前から帰ってきたばかりなのに、今から100年後の未来に行くのかい!ドク! 」と気だるそうに答える。ドクはマーティを叩き起こし、マーティは渋々とベッドから抜け出し家を出た。マーティが「タイムマシーンはどこ!」と尋ねると、ドクが指さした先には破壊されたはずのシルバーのデロリアンが止められており、数日前の事なのにマーティは妙に懐かしさを感じていた。ドクが「説明すると長くなるがデロリアンを復活させたよ!マーティ!」マーティが「ところでドク!昨日別れた時よりも老けた気がするけど?何かあったのかい!」と尋ねる。ドクが「それは仕方がないのだ!マーティ! 昨日の私は1894年の私で、その後、私は1907年まで過去で暮らしていたから、つまり今日の私は13年後の私ということで、昨日マーティが見た2人の息子は17歳と20歳になった。混乱すると思うが、後で詳しく説明するから、まずは2085年の未来に行こう!」と言い、2人はデロリアンに乗り込み2085年へ向かった!

2085年に着いたマーティとドクの目の前に巨大な竜巻が現れ、ドクはタイムマシーンを方向転換するが四方に巨大な竜巻が発生しており、デロリアンは複数の竜巻に囲まれてしまった。ドクが「ここは中西部なのか?オクラホマ州か?カリフォルニアではないはずだ!私がタイムマシーンを改造したせいで何か不具合が起こったのかもしれない?」と言う。マーティが「ドク!ここはロサンゼルスだよ!右側にハリウッドサインが見える」と言い。ドクは「ここがL.A.とは信じられない、2085年のアメリカは一体どうなっているのだ?」と頭を叩き、2人は荒れ狂うアメリカの気候変動の実情を目の当たりにした。

2085年の地球は平均気温が産業革命前から7℃も上昇し、アメリカでは全ての州で年間を通して竜巻が発生、カリブ海では800hPaを下回る超スーパーハリケーンが頻発し、2048年にピークであった人口も4億人から2億人に激減していた。人口減少の原因は温暖化による自然災害で、2050年にパリ協定の履行を実現できなかった人類は、急ぎ2071年にカーボンニュートラルを実現するが、既に地球温暖化はコントロールできない水準に達していた。世界の人口も2046年103億人をピークに、2085年には43億人にまで減少していた。これは急激に人口増加したアフリカ・アジアの気候変動による飢餓が原因で、世界の60%以上が砂漠化、人類が排出した温暖化ガスの蓄積で深刻な状況になっていた。

マーティはマクフライ家の子孫を調べるためヒルバレーに向かうことにした。デロリアンを走らせていると、対向車の多くが同じ車種であることにマーティが気付き「ドク!あれはフォルクスワーゲンのビートルの新型かな?」ドクが「47年もクラシカルなスタイルを貫いたビートルがスタイリッシュになったものだ!」と答える。マーティが「でもフロントのエンブレムがトヨタ・GM・フォルクスワーゲンなど違うんだよ!不思議だな?」と話していると、ドクが「そろそろヒルバレーが近づいてきたぞ!マーティ!」と言い、2人が目にした光景は人影が少なく荒れ果てた街並みであった。ヒルバレーに更に近づくと光景は悪化し、ヒルバレーに到着したマーティが目にしたのは、点々と廃墟が立ち並ぶ変わり果てた街の姿で、ヒルバレーの象徴であった時計台も哀れな姿になっていた。

調べてみると2076年に発生した竜巻によりヒルバレーは壊滅し、マーティの子孫も竜巻の犠牲になり2085年には存在しない事がわかった。その事実を知らされたマーティは精神的に打ちのめされ「僕たちは何のために2085年に来たのだろう?」とドクに尋ねる。ドクはうつむいて暫し考え込んだ!そして「つまりマクフライ家を危機から救えというメッセージかもしれない」と言い、マーティが「だったら2076年に行くべきだし、2085年にはビフ・タネンの子孫も存在しないかもしれない、夢には意味がないんだよ!ドク!1985年に戻ろう!」ドクは「しかし、マクフライ家の危機を知ったのも事実で、これは重要なことだ!もう少し調べる必要がある」とマーティをなだめ、2人は2085年に留まることにした。

11月18日の夜テレビを見ていると、第63代アメリカ合衆国大統領が出演しており、その姿を見たマーティは釈然としない感覚に陥った。キャスターが大統領に質問する「大統領を目指すようになったのはいつですか?」大統領は「私が大統領を考えるようになったのは小学生の時で、祖父の友人から君は将来大統領になると言われたのが切っ掛けです。勉強が苦手だった私は猛勉強して、カリフォルニア大学バークレー校の政治科学部に入学、主席で卒業し政界を目指しました。その人から大統領になると言われなければ、今ここには座っていないだろう!」キャスターが「小学生から大統領を目指したとは驚きですね。本日は大統領!ご出演ありがとうございました!」と言いインタビューが終了、画面の下にグリフ・タネン大統領と表示された。それを見たマーティは「タネン大統領?」と叫んだ。グリフ・タネン! 年は取っているがマーティの宿敵であるビフ・タネンに雰囲気が酷似している。まさかと思いドクがタネン大統領の経歴を調べると、大統領はビフ・タネンの孫であることが判明する。ドクが「ビンゴだ!マーティ!これでビフ・タネンと繋がった!これが私の見た夢の正体だ!」と言い、2人はワシントンD.C.に向かうことにした。

2人がワシントンD.C.に着いたのは19日の深夜で、ドクが「マーティ!こんな時間にホワイトハウスに行くのか?」と尋ねる。マーティは「せっかく来たのだから行ってみよう!無理なら明日出直せばいい」と言い、2人はホワイトハウス近くのダウンタウンにデロリアンを止め、徒歩でホワイトハウスに向かった。ホワイトハウス周辺の警備は厳重であったが、身分証の提示を求められることもなく、マーティ・マクフライ!エメット・ブラウン!と名乗るだけで、いくつもの検問を通過できた。ドクが「名前を聞かれて名乗るだけで通過できるとは奇妙だ!」と言い頭を叩いて天を見上げる。1時間ほどで無事にホワイトハウスに到着したマーティとドクは、ホワイトハウスの職員から「マーティ・マクフライさんとブラウン博士ですか?」と尋ねられた。そして2人は大統領執務室へと案内され、そこにはタネン大統領が座っている。すると大統領が「待っていたよ!マーティ叔父さん!・ブラウン博士!」と言い、マーティは大統領に抱擁された。意味が分からないマーティは「僕を待っていた?叔父さんだって?」と尋ね?混乱した様子であった。

タネン大統領が説明を始める。「まだ私が小さかった時に爺さん(ビフ・タネン)の友人だったマーティ叔父さんから手紙を渡されたのだ!」その手紙には「親愛なるグリフ!11歳の誕生日おめでとう!~お前がアメリカ合衆国の大統領になった2085年11月19日の深夜に、17歳の私とブラウン博士が1985年からタイムマシーンに乗って訪ねて来るから、ホワイトハウスに入れて欲しい、2085年の地球は大変なことになっているから私を頼って欲しい」と書かれていた。そして大統領が古びた手紙をマーティに渡す。その汚い特徴のある字で書かれた手紙は確かに自分が書いたものだった。

大統領が「説明しなくても判ると思うが、今の地球は温暖化により非常事態だ。この環境が改善されるには1万年かかると言われ、その前に人類は絶滅するかもしれない。マーティ叔父さん!タイムマシーンで環境対策を疎かにした時代のCOP(国連気候変動枠組条約締約会議)に行って、環境対策の歴史を変えて欲しい。個人的には2026年のCOP31が良いと思うのだが!?」と言った。

大統領が話を続ける「叔父さんから手紙を渡されて、その手紙の内容を信じて私は政治家を目指し、本当にアメリカ合衆国の大統領になった。正直、政治家になれたとしても大統領までは考えもしなかった。だから今夜、叔父さんが必ず来ると信じて、ホワイトハウスの職員にマーティ叔父さんとブラウン博士の事を話しておいたのだ。叔父さん2085年の地球を救って欲しい!」マーティが「大統領!僕たちが2085年に呼ばれた理由がわかりました。僕たちにしかできない任務だから喜んで引き受けます!ただマーティ叔父さんはやめて欲しな、マーティでいいよ!」と言い、大統領はうなずいた!

大統領は机の引き出しから、もう一通の封書を取り出し「これは私からマーティ叔父さんに!」と差し出す。ドクが「大統領それは危険だ!歴史が変わるのはまずい」と言いマーティの手を振り払う。大統領が「それならブラウン博士に任せるよ!」とドクのポケットに封書をねじこんだ。ドクが「大統領!私に責任を押し付けないでくれ」と言い、大統領は「ブラウン博士が読んで歴史を変える危険な内容なのか?判断してくれ、あとは任せたからなブラウン博士!」と言った。責任を押し付けられたドクは天井を見上げ頭を叩く。

マーティが大統領に「2085年は車が空を飛んだり、もっと発展していると想像したけど、少し期待を裏切られた感じだよ!」と言い、大統領が「空を飛ぶ車は2050年代にはかなり普及したが、高額だったのと事故が多発して規制が厳しくなったのが原因で、最近はめっきり見なくなった!昔のSF映画のような未来を想像していたのか?」と尋ねると、マーティが「そんな感じかな!」と答えた。大統領が「あれは想像の世界で、これが現実だよ!でも地球温暖化がなければ違った発展をしたかもしれない!」と言い、大統領は内ポケットからカードサイズの薄い金属板を取り出した。「これはカードPCというコンピューターで、通信・情報のすべてが得られ、全国民が常に携帯し常にAIに監視されているのだ!」と言った。大統領がカードPCに手をかざすと、カードPCの上部にモニターが現れる。そして大統領はモニターをタッチして操作をはじめた「これが今の私の体の状態だ!このカードPCを携帯するだけで病気も知らせてくれる。2085年の私たちはAIに監視されているが、同時にAIに守られており、このカードPCがあれば何でもできる」そう言って大統領は2人にカードPCを渡した。「このカードPCに2085年の情報が入っているから持っていってほしい、必ず役に立つはずだから!」そして「操作は簡単だから秘書官の説明を聞いてくれ」と言い立ち去った。

大統領秘書官は「前のモニターを10分見てください」と言い2人を椅子に座らせる。椅子に座ったマーティは僅かな振動と耳元から小さな音を感じた。モニターには細かいドットがランダムに表示され時間と共に変化している。マーティは不思議な感覚に陥った。10分後、秘書官から「カードPCを使ってみてください」と言われ、マーティがカードPCに手をかざすと、50インチほどのモニターがカードPCの上部に現れた。マーティは画面をタッチしながらカードPCを自在に動かし始める。秘書官が「これでカードPCはマスターできましたね」と言いその場を立ち去った。

ドクが「これだけの技術があるのに、100年後の未来でタイムマシーンが開発されていないとは驚きだ!」と言い、マーティが「ドクはタイムマシーンを100年前に完成させたのだから天才だよ!タイムマシーンを公表したら間違いなくノーベル化学賞を受賞するだろうな!」ドクが「マーティ!タイムマシーンは危険が多い!ある意味では核兵器よりも危険なのだ!もし私が公表して誰もが使えるようになったら歴史はどうなる、考えるだけで恐ろしい!だから絶対に公表してはいけないのだ!」マーティが「確かに僕も1955年で歴史に関与しすぎて一度消えそうになったからね!」ドクが「そうだ!歴史を変えるのは慎重に考えるべきなのだ!マーティ!」と忠告する。

ドクがカードPCで過去の地球温暖化の歴史について調べ始める。地球温暖化が考えられるようになったのが1985年で、国際会議は1995年のCOP1(ベルリン)からスタートするが、2014年のCOP20(マリ)までの20年間は低調な会議であった。2015年のCOP21(パリ)で<パリ協定>という具体的な行動目標が作られ、2018年に北欧の少女が脱炭素の運動を始めたのがきっかけで、その運動は若者を中心に世界に広がった。2019年のCOP25(マドリード)で世界的に脱炭素の気運が高まるが、直後にCOVID19が大流行、2022年のウクライナ戦争で脱炭素の気運にブレーキがかかってしまう。2030年代には世界で紛争・戦争が相次ぎ、世界経済は大きなダメージを受ける。致命的だったのは2046年に日本を襲った南海トラフ地震、これがひきがねとなって世界恐慌が再来し、2050年にカーボンニュートラルを目指したパリ協定は履行されず、2050年の世界の平均気温は産業革命前から4.7℃上昇してしまった。その後、2071年にカーボンニュートラルを実現したが2085年現在の平均気温は7℃上昇となっている。

ドクが「これが温暖化対策の歴史だが、問題は何年のCOPに行くかだ?」マーティは「僕は気運が高まったタイミングが良いと思う」ドクは「COVID19とウクライナ戦争でブレーキがかかったタイミングが良いと思うが」2022年のCOP27がエジプト、COP28がドバイ、COP29がシンガポール、COP30がオスロ、COP31がサンディエゴ、ドクが「ここは大統領も2026年を希望しているし、我々にとってもホームであるCOP31サンディエゴに行くべきじゃないか?マーティ!」「僕もCOP31のサンディエゴに行くのがベストだと思うよドク!」そして2人は大統領に2026年のCOP31に行くことを伝える。

執務室から出ようとする2人に大統領が言った。「私も2026年に連れて行ってくれ、実はマーティ叔父さんから手紙をもらったのが2026年の11歳の誕生日で、亡きマーティ叔父さんにお礼が言いたいんだ!」マーティが「お礼なら僕でもいいだろう!」大統領は「君じゃなく叔父さんに会って言いたいんだよ!」マーティが「厳重な警備体制のホワイトハウスから深夜にどうやって大統領が~?」と尋ねると、大統領は書棚をスライドさせ「ここから外に出られる」と言った。そこにはエレベーターが隠されており、大統領は「このエレベーターで地下に降りると、その先に私専用のガレージがあるから外に脱出できる。これは私が2083年に大統領に就任した際に大統領令で改修工事したのだ!この日のためにだよ!マーティ!」と言った。3人はエレベーターで地下に降りてガレージへ繋がる通路を歩いて行った。

大統領の専用ガレージに着いたマーティは興奮していた!「これは映画のアメリカン・グラフティにも登場する名車だよね!」大統領が「そうだ!キャデラックで一番美しいと言われているエルドラド59年式のオープンカーだ!」マーティが「2085年でこの車に乗れるなんて感激だよ!」大統領は「しかしエンジンは乗っていないのだ!大統領が6400ccの車に乗っていたら示しがつかないから、これはEVに改造したエルドラドなのだ!」ドクが「大統領がオープンカーに乗って大丈夫なのか?」と尋ねる。大統領は「2085年のアメリカは治安が良くなり、今は大統領もプライベートで運転ができる。その理由は、建国以来300年も許されていた銃の所持が、10年前の法改正で禁止になったからで、今では銃を所持しただけで100年の懲役が科せられる。つまり終身刑と同じだ!」マーティが「アメリカが銃規制するとはびっくりだ!」大統領が「私も下院議員時代にその法整備に関わったが、今考えれば何故早く銃規制をしなかったのかが悔やまれる。話はこれくらいにしてホワイトハウスから脱出するぞ!これからは時間が勝負だ!」ドクが「大統領!私に運転させてもらえないか?私はこのキャデラックに憧れていたのだ!」大統領はうなずき、ドクの運転で3人はホワイトハウスから脱出した。

3人がダウンタウンに止めたデロリアンに向かう道中、前を走る車を見たマーティが大統領に尋ねる「フォルクスワーゲン・ビートルに似た車がやたらと多いのは何故なの?」大統領は「お前は質問が多すぎて!疲れる」と言いながら話を続けた「あの車はアースという名前だがベースはフォルクスワーゲン・ビートルだ。3代目ザ・ビートルが2019年に生産中止になり2076年に復活した!きっかけは2073年にトヨタのCEOがプロジェクトを立ち上げ、それに共感したメーカーが共同開発し、今では全世界シェアの70%がアースで占められている」マーティが「どうして普及したのか」と尋ねると「それは環境に優しいのは当然だが、販売方法がリースで条件を満たせば無料!逆に収入になるシステムになっているからだ。見てみろ前のアースを!カードCPのように車の上部にモニターが見えるだろう、あの宣伝効果が絶大なんだ!2083年の大統領選挙の時は民主党と共和党で広告の奪い合いだった。それにビートルは2ドアだがアースは4ドア!あれにも意味があるんだよ!」すると大統領の内ポケットから電子音声が聞こえた「グリフ・タネン大統領!どちらに向かうのですか?」大統領は「これから2026年のヒルバレーに向かうが1時間で戻る」と言って、内ポケットからカードPCを取り出し車外に投げ捨てた。マーティが「シークレットサービスが来たらどうする?」と言うと「私は大統領だぞ!大丈夫だ!でもシークレットサービスが来ると面倒になるから早く2026年に行こう!ブラウン博士!まだ到着しないのか?」ドクが「この先を右に曲がったところだ!」と言い、大統領は苛立ちを隠せない様子だった。

「到着しました大統領!」とドクがと言い、車から降りた大統領がデロリアンを見て感激している。1981年~1982年にかけて製造された伝説のスポーツカー「デロリアン」を目の当たりにしたからである。大統領が「素晴らしい車だけど2人乗りじゃないか?」マーティが「少し狭いけど助手席に2人乗れるから大丈夫だよ!彼女のジェニファーと乗ったことがある」と説明するが、タネン大統領は190㎝を超える体格で?不満そうに車を眺めている。そして「誰が助手席に乗るのだ?マーティとブラウン博士か?」と尋ねた。

するとドクが「1分待ってくれと」言いデロリアンに乗り込む、時間は2時59分、デロリアンは宙を舞い閃光と共に夜空に消えた。大統領が「ブラウン博士はどこに行ったのだ?」マーティはドクの行動を理解していた「大統領!期待してください」すると遠くからサイレンの音が聞こえ「シークレットサービスが来るぞ時間がない」と大統領が言った。1分後の3時00分に辺りが眩い光に包まれ、ドクが1959年製の赤いキャデラックに乗って戻ってきた。助手席にはドクの息子ジュールが乗っていて、ジュールが「マーティ!13年ぶりだね!7歳だった僕を覚えているかい?」と満面の笑みをうかべた。大統領が「ブラウン博士!私が愛する1959年製のキャデラックで登場するとはセンスが良いな!」と感激している。その姿を見たドクは大統領に敬礼し「嬉しく思います大統領!」と言った。ドクが「君たちには1分だが、私は過去に戻って1年かけてこのキャデラックをタイムマシーンに改造した。1歳また年を取ってしまったよマーティ!また老けたかな?」と笑いながら尋ねた?「さらに髪が薄くなった気がするけど!冗談!年を取ってもドクは格好いいよ!」「クララにも同じことを言われる」とドクが答えると、大統領が「そんな話をしている場合じゃない、すぐにシークレットサービスが到着するぞ」と言い、2人は慌てて車に乗り込み2026年に向かった。

2026年に着いた4人は、タネン大統領とジュールをヒルバレーに下ろし、マーティとドクはCOP31が開催されるサンディエゴへ向かった。

ヒルバレーに下ろされた大統領とジュールはマーティ叔父さんの家を目指した。大統領が「なぜ!お前と私が一緒なのだ!お前は父親と一緒にサンディエゴに行くべきだろう!」と言い、「ぼくもその方が良かったけど、大統領を監視する条件で連れて来てもらったから、仕方ない我慢するよ!」大統領が「我慢する?それは失礼だろう!私はジョージワシントンと同じアメリカ合衆国第63代大統領だぞ!」ジュールが「確かにそうだけど!厳しく監視するからね」大統領は「勝手にしろ」と言って苦笑いした。

しばらく歩くと2人はマーティ叔父さんの家の前に着いた。家のチャイムを押すとジェニファーがドアを開けた。「叔母さん!私はビフ・タネンの孫のグリフ・タネンだよ、17歳の叔父さんと一緒に2085年から来たよ!」と言い、ジェニファーがグリフをリビングに通すと、そこには手紙を渡してくれた58歳のマーティがソファーに座っていた。マーティは立ち上がりグリフと抱擁する。「グリフ!来てくれてありがとう!」グリフが「叔父さんから手紙を渡された12歳の少年が71歳になって本当に大統領になったよ!叔父さんにお礼が言いたくて来た!言わなくてもわかると思うが!2085年の地球は温暖化が進んで大変な状態だ!」マーティが「そうだったな!41年前に見た地球は悲惨だった!」グリフが「マーティとブラウン博士が任務を終えて迎えに来るまでこの家で待たせてもらうよ!」と言い、ジェニファーは「わかっていますよ!グリフ!2人の部屋も準備しておいたから2026年を楽しんでね!」と言った。大統領はブラウン博士との約束でマーティとジェニファー以外との接触は禁止されていた。もし自分の関係者と接触すると未来のタネン大統領も存在しなくなる可能性があるとドクに強く注意されたからである。しかし大統領の本当の目的は別にあった。

翌朝、大統領はマーティ叔父さんの体調についてジニファーに尋ねた。ジェニファーは「マーティは元気で風邪もひかないし、病院にも10年以上行ってないわ!」と答える。大統領は少し不機嫌な様子になり「ジュール!外出するぞ!」と言い家を出ていく、そして不意を突かれたジュールが慌てて追いかけてきた。ジュールが「大統領!人との接触はダメだからね!」と言い、大統領は「ブラウン博士には内緒にすればいいだろう!」とジュールを諭すが、ジュールは頑なに拒否するため、大統領は仕方なくその理由をジュールに話した「まもなくマーティ叔父さんは心臓発作で亡くなるんだ!今でも鮮明に覚えている私が13歳の時だった。だから何か方法がないか病院で相談しようと考えているのだ!正直に話したら頭がおかしいと思われるし!思案中だ!」ジュールが「そういう理由なら父さんには内緒にするよ!」と言い、大統領は時計台広場近くの貴金属店に入ろうとする。「ここは病院じゃないけど」とジュールが言うと、大統領は「お前がいると面倒くさい!お金が必要だろう!2085年の通貨は地球統一通貨でUSドルではないから、私のネックレスと指輪を換金するのだ!」ジュールが「父さんもタイムマシーンに乗る時に金貨を持っていくのと同じだ!了解しました!」2人は貴金属店で2万ドルを換金しヒルバレー中央病院に向かった。

2026年11月20日、明日からCOP31が開幕する。マーティとドクはアメリカ政府関係者が宿泊するホテルに向かったが、政府関係者との面会は叶わず。途方にくれたマーティは、「これをすぐに政府関係者に渡してほしい」とメモをフロントに渡してホテルの外に出た。そして1時間後のプレゼンテーションに向けて準備に取り掛かる。政府関係者に渡されたメモには「1時間後の20時に私たちが来た理由を説明します。ホテルの外を見てください。」と書かれていた。

20時になりホテルの正面に巨大な映像が突如出現した。「私たちは2085年の未来から来ました。これが2085年の技術です。2085年の地球は温暖化で危機的な状況です!」と表示された後に、2085年のCNNニュースが流れた。アメリカ全土での竜巻被害、800hPaを下回る巨大なハリケーン、アフリカ・アジア・オセアニア・中南米の砂漠化、南極・グリーンランドの氷床融解による海面上昇など、そして最後に第63代アメリカ合衆国タネン大統領からのメッセージが流れた。

マーティとドクがホテルに向かうと、アメリカ政府関係者の部屋へと案内された。マーティがポケットからカードPCを取り出し、テーブルに置いてカードの上に手をかざすと、先ほど外に出現した映像が100インチほどのサイズで部屋に現れた。マーティが「このカードPCで通信・情報の全てが得られ、電源も含めすべてがカードPCに集約されています。これが60年後の最先端技術です。信じてもらえますか?」と言い、 映像には第63代アメリカ合衆国タネン大統領からの続きのメッセージが入っていた。その衝撃的な事実を知った政府関係者は、マーティとドクに明日から開催されるCOP31でのスピーチを約束する。

翌日、昨夜ホテルの外に現れた巨大な映像は、SNSやCNNなどのニュースで世界に広がり、当初は国連のキャンペーン動画ではないかと報じられていたが、国連広報はこれを否定した。ならば環境団体がCOP31を盛り上げるために企画したゲリライベントなのでは?と憶測され、長期化するウクライナ戦争の影響もあり、盛り上がりに欠けていたCOP31は一気に世界の注目の的となった。

アメリカ政府の根回しもあり、マーティとドクのスピーチはCOP31の冒頭に設定され、議長が開会宣言をした後に「ニュースなどで話題になっている昨晩の出来事について、私の友人であるマーティ・マクフライ君とエメット・ブラウン博士から説明があります。盛大な拍手でお迎えください!」と言った。会場が割れんばかりの拍手に包まれマーティとドクが壇上に上がる。マーティはジージャンに赤のダウンベストを着た若者で、ドクは1908年のクラシカルな服を着たおじさん、そのアンバランスな2人を見た会場関係者は困惑しどよめいた。

「僕は1985年の過去からタイムマシーンに乗って来たマーティ・マクフライ!です。隣がタイムマシーンを開発したブラウン博士で、僕たちは2085年のアメリカを見てきました? 信じるのは難しいと思うけど、僕の話を聞いて欲しい」マーティは天を仰ぎ深呼吸して話を続けた「カーボンニュートラルを目指している会議で話すのは少し辛いのですが、このままでは歴史的に2050年のカーボンニュートラルは実現できません。2085年の地球は産業革命前から平均気温が7℃上昇し、温暖化がコントロールできない極めて危険な状況になっています」マーティがポケットからカードPCを取り出し手をかざすと、壇上に巨大なスクリーンが現れ、昨晩の映像が会場に映し出された。マーティが映像と会話しながら2085年の状況を詳しく説明し、最後にタネン大統領からの続きのメッセージが流れると会場は騒然とした。

マーティは2020年代に人類が夢見ている火星移住計画について話し始める。「人類は2042年に火星の土を踏みますが、移住計画は2046年に中断され、2051年には移住計画自体が中止となります。それは地球環境の悪化が原因で、すべての力をカーボンニュートラルに注ぐ必要があるからでした。重力が地球の3分の1の火星で人類が幸せに過ごせると思いますか?人類に必要なのは火星ではなく美しい地球なのですから、火星への夢はカーボンニュートラルを実現した後の子供や孫の世代に任せるべきです。」

「僕のことを少し話しますが、僕の子孫は2076年の気候変動が関連する災害で命を奪われます。2085年に世界の人口は半減以下になり、その様な不幸があなた達の子孫にも待ち構えているのです。4年続いているウクライナ戦争・・・ふざけるなだ! 経済優先・民族主義・国家第一主義は・・・くそくらえだ! 民族・宗教は関係なく一致団結しなければ明るい未来の地球はありません!これまでの計画ではダメなのです。新たに目標・計画を立て直してカーボンニュートラルを実現してください。あなた方なら必ずできるはずです。それは45年後(2071年)に人類はカーボンニュートラルを実現するのですから、でも2071年では遅すぎるのです!」会場からは「どのようにして未来の人類はカーボンニュートラルを実現したのか教えて欲しい」との声が沸き上がる。

マーティがドクに目を向けると、ドクは顔を横に振って「危険だと!」答える。そして、しばし沈黙の後にマーティが語り始める「僕がすべてを話すことはできませんが、カーボンニュートラルに繋がるヒントを話します。来年2027年に発売される(Sapiens-Z)という小説があり、この小説はベストセラーとなり後に映画化され、これを機に脱炭素の気運が高まりますが、2030年代にアフリカ・中東・アジア・中南米で戦争が起こり、脱炭素の気運は一気に低下してしまいます。(Sapiens-Z)は2046年にドラマとしてリメークされ、30億人以上が視聴する大ヒット作となり、その後、民間主導で国際連合に匹敵する民族・宗教の枠を越えた団体がつくられ、後にその団体は国連と統合されることになります。国連の役割が大きく変わり、経済システムも大きく生まれ変わり、民主国家も専制国家も垣根を取り払い邁進してカーボンニュートラルを実現します。カーボンニュートラル実現のヒントが(Sapiens-Z)に隠されていることを忘れないでください」

「戦争は脱炭素の気運に大きくブレーキをかけます。2022年のウクライナ戦争は民主国家と専制国家の対立を深め、その結果が2030年代の各大陸での戦争へと繋がるのです。つまりウクライナ戦争後の東西の対応は間違っていたのです。しかし第三次世界大戦に発展しなかったのは幸いでした。1962年のキューバ危機と2022年のウクライナ戦争で核兵器の使用が危ぶまれましたが、人類が核兵器を使用したのは広島と長崎だけで、2085年まで人類が核兵器を使用することはありません。その後も使用されることはないでしょう、それは2056年に地球上から核兵器が全廃になるからです」すると会場から歓声が沸き上がる!

「30年先の未来に実現できるのですから、早くそのことに気付いて欲しい、人類は有史以来争いを繰り返し、今も紛争・戦争が絶えません。それは驕り高ぶる強国が存在するからで、民族・宗教を利用して国は自国民を惑わしています。僕が手段や方法を明確に話せないのは、与えられたものではダメだからで、自分たちで考え行動しない限り~~~」ドクが「マーティ!これ以上は危険だ!歴史はその時代の当事者が作り上げることなのだから」と話を遮った。マーティはうなずき「もう少しだけ」と言い「戦争がなぜ起きるのか?それは理性より(欲)が上回るからで、欲を満たす方法を戦争から別のものに変えれば良いのです。1971年にヒットしたジョンレノンのイマジンの歌詞を思い出してください。その別のものとは実は単純で簡単なことなのです。それに早く気付いて欲しい!」

「今、僕に話せるのはここまでです。ここに集まった方は国を代表する優秀な方々なので、あとはあなた達に任せたい、20年早く人類が気付き行動すれば、2030年代の紛争・戦争は防げるでしょう!この数年が勝負です」

「僕はタネン大統領に懇願され、2085年の状況を伝えるために来ました。信じられない方は、2026年の僕は58歳になり、カリフォルニア州のヒルバレーで妻のジェニファーと暮らしているので確認してほしい!」「これから僕は2085年の未来が変わっているか確認に向かいます。もし未来の地球が変わっていなければ、ここに戻って来る必要があります。僕が戻ることがないようにして欲しい、お願いします」と言って会場を後にする。

COP31の出来事は世界中に速報ニュースとして伝えられ、マーティもヒルバレーでニュースを見ていた。マーティが「グリフ!アルベルト!そろそろ2085年に帰る時が来たようだ!」「グリフ!寂しくなるが未来で立派な大統領になってくれ!」「アルベルトはブラウン博士をよろしく頼む!」と言い。大統領が「あの時ドクに渡した手紙を見なかったのかい?」と尋ねた。マーティは「手紙をドクから渡されて読んだけど、これまでの人生を満足しているから、自分の運命を変える必要はないと思い、病院には行かなかった!確か来年だったな!」グリフが「叔父さん!59歳では若すぎるよ!まだ歴史が叔父さんを必要とするかもしれない、明日の10時にヒルバレー中央病院の循環器科を予約しておいたから、必ず診察を受けて欲しい。定期健診10回分の代金も払っておいたから、毎年必ず検診を受けてくれよ!」と言い、「そこまで準備してくれたなら、有難く受けさせてもらうよ!グリフありがとう!」とマーティが答えた。すると間もなくマーティとドクが迎えに来て家のチャイムが鳴る。マーティがドアを開けると、そこには17歳の自分とドクが立っていた。マーティが「ドク!久しぶりだな!再会できてうれしいよ!」と言い2人は強く抱き合った。グリフが「積もる話もあると思うが、私の2026年の任務も完了したし、マーティ!ブラウン博士!そろそろ2085年に戻ろう!」と言い、グリフはマーティ叔父さんにウインクをする。そして4人はキャデラックに乗り込み爆音とともに閃光となり夜空へと消えた。

マーティは4人が消えた夜空を見ながら41年前の出来事を思い出していた。もうドクに会うことはないだろう、ドクと出会って素晴らしい体験ができた。ありがとうドク!と心の中でつぶやき、マーティがジェニファーに話す「COP31で僕が言ったことだから仕方がない!これから多くの人がこの家を訪れるはずだ!準備しておいた僕を証明する資料を出しておこう、これからが僕たちの仕事だから!」ジェニファーは「もうテーブルの上に準備しておきましたよ!忙しくなりそうですね!」と答える。この日からテレビ・新聞・ネットの取材がヒルバレーに押し寄せることになる。

COP31は開催期間が2週間延長され、新たな「サンディエゴ協定」が合意され閉幕した。サンディエゴ協定は2015年のCOP21で採択された「パリ協定」を凌ぐ罰則付きの厳しい内容であった。各国の関係者は2人がCOP期間中に戻らなかったため、サンディエゴ協定を履行すれば地球温暖化を防げると確信した。

4人が戻った2085年は、人類がカーボンニュートラルを2048年に前倒ししたお陰で、出発前とは比較にならない環境を取り戻し、マクフライ家の子孫もヒルバレーで平穏な日常を過ごしていた。しかし平均気温は2.6℃上昇しており、地球環境は予断を許さない状況が続いていた。

タネン大統領は結果に満足しておらず「COP31に戻って更なる努力を懇願してほしい」と言った。ドクはマクフライ家も安泰だし、これ以上歴史を変えるのは危険だ!と考え、マーティも後は未来の人類に任せるべきとタネン大統領に話した。タネン大統領の顔は不満に満ち溢れている。そして思い出したかのように「マーティ!ここまで頑張ったのに諦めるのか?この腰抜け」と強い口調で言った。この「腰抜け」という言葉に過敏なマーティは「誰が腰抜けだって!」と大統領に噛みつき「ドク!COP31に戻ろう!」と言い、ドクの腕を引っ張り執務室から出て行った。

2人を見送ったタネン大統領は勝ち誇ったように笑みを浮かべる。大統領は心の中で、爺さんから聞いたとおりマーティは「腰抜け!」の言葉に弱い、昔聞いた話を思い出して言ってみたが大正解だった!亡き爺さんに感謝しないとな!とつぶやいた!

タイムマシーンに乗り込んだマーティがドクに尋ねる。マーティ「戻ると言ったけど!2026年のCOP31に戻っても意味がない気がする」ドク「確かに何も実行していないCOP31に戻って、更なる努力をと言っても、逆に混乱させることになるな!」と答える。マーティが「1年期間をあけるべきだよ!ドク!2027年のCOP32にしよう! 」ドクが「そうだな!COP32はオーストラリアのブリスベンだ!」ドクが日時の後に経度(153.075745)と緯度(-27.626045)を入力した。マーティが「ドク!ブリスベンに直接行けるのかい? 」ドクが「こんな日が来ると思って改造しておいたのだ!」「さすがドクだな!」マーティ が言い2人はCOP32ブリスベン(豪)に向かった。

2085年で待つこととなったジュールに、大統領が「お前は1907年から来て、2026年と2085年の未来の地球を見たが、その感想が聞きたい!」ジュールは少し考えて「2026年も2085年も良いけど!僕は1907年が好きだ!未来の地球は発展して凄いけど、疲れちゃうよ!ゆっくり時間が流れる1907年が僕には合っている!」と言い、意外な回答に大統領は驚いた!確かにブラウン博士も1985年の生活を捨てて100年前を選んだ、私たちはAIに管理・監視される今の生活に慣れてしまったが、私も2026年に戻って人間らしい生活を実感していた。人類は発展しすぎたのかもしれない!それが幸せと言えるのだろうか?大統領は人間らしい生活を考える必要があると感じていた。その直後、大統領は時が止まったような感覚に陥り、体を動かすことができなくなった。しかし周囲はビデオの早送りのように、過去の映像がコマ送りでもの凄いスピードで映し出されている。大統領は恐怖を感じ「だれか~!助けてくれ!」と叫ぶが返答がなく、そのまま気を失ってしまう。それからどれくらいの時間がたったのか?ドアをノックする音が聞こえ大統領は目を覚ました。

2027年のCOP32ブリスベンにマーティが戻って来た。会場の関係者は「ダメだったのか!」と沈痛な面持ちでマーティを見つめた。マーティは会場を見つめているだけで黙っている。会場が騒然とした雰囲気になった瞬間、マーティが語り始める!

「まず初めに前回伝えられなかった話をします。地球温暖化には直接関係ありませんが、間接的に脱炭素に大きくブレーキをかけた出来事です。日本の方々には辛い内容になりますが、2046年6月11日13時26分に日本で南海トラフ地震が発生します!」そしてマーティはカードPCを使ってCNNのニュース映像を流した。そのニュースは地震当日にCNNが世界に配信した映像で、巨大な津波が主要都市に押し寄せる映像であった。マーティが「この地震は日本だけでなく台湾・中国・韓国にも大きな被害を与え、この地震で72万人が犠牲になり、経済損失は12兆ドルとなり、2047年の世界恐慌のひきがねとなります。日本と周辺国は地震災害を想定した脱炭素政策を行い、世界恐慌を避ける対策を考えてください。これは当事国だけでなく地球全体で取り組む必要があります。時間はたっぷりあるので、被害を最小限度にとどめて欲しい、後で日本政府関係者には詳細な地震データを渡します!」

次にマーティが笑みを浮かべ「この映像を見てください」と言った。再びCNNニュースが流れる。その映像には気候が改善された美しい地球の姿が映し出されていた。映像を見ながらマーティは「あなた達!人類の努力のおかげで、地球温暖化は激的に改善され、平均気温は7℃上昇から2.6℃上昇に抑える事ができました。しかし2.6℃の上昇は決して安心できる数字ではありません。目標は産業革命前の気候に戻すことです。その方法は僕にもわかりませんが、4.6℃も下げることができたのですから、あなた方なら必ず達成できると信じています。今回はそれを伝えに来たのです。更なる努力をお願いしたいのです!もう僕たちがCOPに戻ることはないでしょう!」と言うと、 会場は歓声に沸きあがった。

マーティがドクに目を向けると、ドクが自分を指差して必死に口を動かしている。今まで僕に任せて何も話さなかったのにドクは何か言いたいのか? マーティが両手で歓声を鎮めるジェスチャーをし「ブラウン博士からも話があります」と言った。

ドクが「私は話が下手なのだが、一つだけ話したいことがある!私はアルベルト・アインシュタインを尊敬し論理物理学の道に進み、その過程で1985年にタイムマシーンを完成させたのだが、私は2085年の未来でタイムマシーンが存在しない事を知り安心した。その理由は・・・タイムマシーンはとても危険なもので、使い方次第では核兵器よりも危険な要素を含んでいるからだ。開発当初は世に広める考えもあったが、実際に使用してみると、その考えは吹き飛んでしまった。人が欲にかられて好き勝手に歴史を変える可能性が高いからだ!今回の歴史を変える行為は、地球のため人類のために役立つと考えているが、もしかすると悪い影響が出る可能性も否定できない!私は今回のタイムマシーンの旅を最後に、タイムマシーン自体を封印しようと考えています。話が下手なので、私が何を言いたいかと言うと!」ドクは考えを上手く表現できない自分に憤り頭を叩いた!

マーティが「ドク!格好つける必要ないよ!いつものドクのスタイルで話せばいい!」「そうだな!私が言いたいのは、タイムマシーンは危険性もあるが、人を救うこともできる。しかし核兵器は人に不幸しかもたらさない、それがわかっているのに使わない核兵器を人類は82年も手放そうとしない、しかし核兵器は今世紀中に全廃になり、それは歴史的に未来の事実である。未来の人類が核兵器を全廃できるのだから、今からその作業に着手してほしい。それがカーボンニュートラルを加速させる力になるのだ。人類は有史以来、紛争・戦争を繰り返している。国が強くなり権力を掴むものが戦争で欲を満たそうとする。この時代は国防費が著しく増大し地球全体で2兆ドルに達している、しかし未来の人類は国防費を半減させることで核兵器の全廃を達成するのだ!COP31から戻り歴史を確認すると、アフリカ・中南米の戦争は歴史から消えていたが、中東・アジアでの戦争は歴史に刻まれていた。マーティが話した日本の地震対策を着実に行い、国防費を半減し核全廃を早めれば、この時代に人類が計画している2050年のカーボンニュートラルは必ず実現できると私は確信している。私が言いたいのは以上だ、ありがとう!」会場から割れんばかりの拍手が満ち溢れる!そしてマーティとドクはグットポーズしながら会場を後にした。

マーティが「ドクが話すとは思わなかった!格好良かったよ!ドク!これで任務が完了だね」ドク「歴史を変えるのは危険と考えていたが、私のタイムマシーンが役に立った!」マーティ「ドク!タイムマシーンを封印すると言ったけど、本当かい!」ドク「本当だ!私も年を取ったから1908年に戻って残りの余生を妻のクララと過ごしたいのだ!」マーティ「ドクと会うのも最後になるのか!寂しくなるな!」ドクが歴史を変える事は封印するけどプライベートでは使うつもりだ、アルベルトが結婚して孫でもできたら会いに行くよ!」マーティ「だったら1985年はやめてね。ぼくも少しゆっくりしたいから」ドク「わかったよ!マーティ!今度は1986年にする」マーティ「もっと先でいいよ!ドク!」ドク「マーティは数日で1955年・2015年・1885年・2085年を旅したのだから無理もないな」と笑顔で答えた。そして2人は大統領とアルベルトが待つ2085年へ向かった。

マーティとドクがCOP32に戻ってきたニュースは世界中を駆け巡り、脱炭素は人類80億人共通のムーブメントという大きな波となり、民主国家も専制国家も垣根を取り払い、更なる脱炭素を加速させる原動力となった。これまで毎年11月に開催されていたCOPは、COP33から同国で5月と11月に開催することになり、課題を翌年には持ち越さないシステムに変更された。人類の献身的な努力により、2085年の未来は1900年代よりも改善され、産業革命以前の気候に回復することができた。核廃絶は12年前倒しされ、2044年に地球上から核兵器が消滅した。日本で発生した南海トラフ地震も、事前に多くが避難したおかげで、犠牲者は周辺国を合わせても498という奇跡的に少ない数となり、その後の世界恐慌も起こらなかった。

2085年に戻ったマーティとドクは、歴史が想像以上に改善された事を確認し、タネン大統領の元へ向かった。大統領が「早いが!もう行ってきたのか?成功したのか?」と尋ねる。マ-ティは「大統領からの任務は無事完了しました!」と答え、マーティとドクは満面の笑みを浮かべた。大統領は「マーティ!ブラウン博士!ありがとう!」と言い、続けて自分が体験した奇妙な出来事について語り始めた。「マーティとドクを送り出した後、ジュールと2026年の事を話していたら、妙な気分になり~~~」その時の状況を詳しく説明した。ドクが「それは大統領がタイムマシーンで戻った直後に、私とマーティが過去に行き更に歴史を変えたからで、おそらくフラッシュバックのような感覚だと思うのだが?」大統領「その通りだよ!ブラウン博士!」ドク「詳しく説明できないが、私も同じような感覚を体験したことがあるから心配ない!大統領それは歴史が塗り替えられた証だよ!」大統領は慌ててカードPCを取り出し調べ始める。「平均気温は産業革命前の-0.2℃、中東・アジアの戦争も世界恐慌も起こっていない、2044年に核廃絶。大統領が「やったな!マーティ!ブラウン博士!大成功だ!」と言った。ドクがジュールに「お前は平気だったのか?」と尋ねると、ジュールは「僕は平気だったよ!大統領が気を失ってビックリしたけど、その直後に父さんとマーティが戻って来た!」と答えた。ドクはジュールが1908年から来て、今回の歴史の変化とは無関係だから影響が出なかったのだろうと考えた。

マーティが「疲れたし自分の本来の居場所に戻ろうか?」と言い、その時ドクが「あ!大統領から渡された手紙を!まだ確認していない!ちょっと待ってくれマーティ!」と言い慌ててポケットから封筒を取り出した。大統領が「ブラウン博士!それは2026年で解決したから大丈夫だ!捨ててくれ!」「ジュール!まさか2026年で大統領を誰かに接触させたのか?あれほど頼んだのに!」ジュール「僕の判断でOKしたよ!父さん!大統領にも変化はないから問題ないでしょう!」ドクが「そう言うならお前を信じよう!」と言い封筒をマーティに渡した。マーティが「タネン大統領!ビフ・タネンの孫であるあなたと会える日を楽しみにしています」と言い、3人は大統領と握手をして執務室から出て行った。

タイムマシーンに到着してドクが言った。「マーティ!寂しくなるな!私から提案があるのだが?1908年に一緒に行って、古き良き時代のアメリカで数年過ごしてから1985年に戻らないか?」アルベルトもうなずき、言葉には出さないがマーティとの別れを惜しんでいた。マーティは「ドクと一緒にいるのは楽しいけど!この数日が1年くらい長く感じたし、ジェニファーとハイラックスでドライブに行く約束があるから、僕は1985年に戻るよ!」ドクが「そうか!私は13年ぶりに会ったから、より寂しく感じるが!別れはいつかくるものだからな!マーティ!1985年に戻るとするか!」ドクは1985年11月16日23時59分と入力し、その後にヒルバレーの緯度と経度を入力した。そしてキャデラックは夜空に閃光となって消えた。

1985年に戻ったマーティは、ドクとジュールが消えた夜空を見ながらつぶやいた!「ドクが作ったタイムマシーンで地球が救われた!寂しくなるけど1908年のアメリカで元気でいて欲しい、ドクと41年後に再会するのを楽しみにするよ!」マーティは家のドアをそっと開けて自分の部屋に向かった。疲れ切ったマーティは、まだぬくもりの残るベッドにもぐり込み。「しばらく来ないでくれよドク!ありがとうドク!」と言い残し、深い眠りについた!~To be continued~

映画の場合、エンディングロールが流れた直後に、エンディングロールを破壊する形で、ドクのタイムマシーンが1908年から戻り、マーティを中心に出演者が拍手でドクのタイムマシーンを歓迎する。マーティの隣にはアントニオ・グテーレス氏(国連事務総長)マーティが語りはじめる「地球温暖化が初めて問題視されたのが1985年です。10年後にCOP1が開催され30年近くたちました。COVID19とウクライナ戦争で脱炭素は大きくブレーキがかかりましたが、地球人が一丸となってカーボンニュートラルを進めなければ、私たちの子孫が犠牲になります。紛争・戦争のない美しい地球をあなたと!」エメット・ブラウン博士(ドク)、グリフ・タネン、ジュールなどの出演者が順番にコメントし、最後にグテーレス氏がコメントする。~THE END~エンディングロールが再開~

バック・トゥ・ザ・フューチャーのコミカルな演出を交えれば、気候変動がテーマであっても娯楽大作が作れると思うのですが、どうでしょうか?

昨年のCOP26グラスゴーのために作成されたキャンペーン動画は素晴らしいと思うのですが、どれくらいの人々に見てもらえたのか? ストーリーはプロに考えてもらって、バック・トゥ・ザ・フューチャー4を国連タイアップで作成できれば、温暖化防止の気運が世界中で高まると思うのですが? COVID19からウクライナ戦争で世界は混沌を極めています。グレタ・トゥーンベリさんが現れたような衝撃、それを上回る大きな切っ掛けが必要ではないでしょうか? そのためにも団体を作りたいと考えておりますので、協力して頂ける方は下記の「団体立上げの仲間・協力者募集」よりご連絡ください。何卒よろしくお願いします。

団体立上げの仲間・協力者を募集しています。地球温暖化に関心の高い方、危惧されている方、何か活動したいと考えている方、ぜひご協力ください。

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