COVID-19 VS 気候変動「地球温暖化」

COVID19が全世界を翻弄して2年がたちました。この間に世界が支払った犠牲は計り知れませんが、地球温暖化が人類に与える影響(被害)を考えると、COVID19の99倍危険と言わざるおえません。

5000年前には行われていた牧畜、それ以降人類は様々な感染症と戦ってきました。長期にわたり人類を苦しめた天然痘、WHOは1980年に天然痘の根絶を宣言しました。100年前に大流行したスペイン風邪(インフルエンザ)、東京大学が永久凍土に埋葬されている遺体からスペイン風邪の遺伝子を抽出し分析した結果、最強の毒性を持つインフルエンザであることが判りました。永久凍土には天然痘・スペイン風邪で亡くなられた人の遺体が多く土葬されています。温暖化で永久凍土の融解が急速に進行している今、埋葬した遺体が地表に出現し野生動物が捕食、野生動物→牧畜→人へと感染する可能性も高まっています。現に2016年ロシアで永久凍土に埋まっていた、炭疽菌に感染して死んだトナカイの死骸から、動物に感染→人に感染して23人の炭疽菌感染者と1人の死者が確認されています。また2014年にはシベリアの永久凍土から採取した3万年以上眠っていたウイルスの蘇生に成功した研究論文も発表されています。温暖化が進むことで天然痘・スペイン風邪やそれ以外にも現代の人類が免疫をもたないウイルス・菌と感染する可能性があるのです。この他にも気温上昇で熱帯特有の感染症だったマラリア・ジカ熱・デング熱などが、日本を含めた亜熱帯・温帯地域で感染拡大する危険も将来的には考えられます。COVID19の感染爆発前のインドではCOVID19よりもデング熱の方が怖いと言われていたので、デング熱もCOVID19同様に決して侮れない感染症です。

21世紀中には多くの氷河が消失すると言われています。氷河は自然のダムで流域の人々の命を繋ぐ水源です。この水源消失により農業・牧畜が行えなくなれば、数億人の人類が飢饉に見舞われます。そして土地を捨て・国を捨て環境難民となり国境を越えることに繋がります。数億人の難民を受け入れられるでしょうか?恐らく各国は国境を閉鎖し流入を拒むでしょう。

永久凍土は近い将来「死語」になるかもしれません。これだけ融解が進んでいる現在を考えると凍土地帯に変更すべきでしょう? 永久凍土の中には過去の動植物の有機物が大量に閉じ込められており、融解すると大量のメタンガスが放出されることになります。メタンガスはCO2の25倍強力な温室効果ガスであるため、永久凍土はメタンガスの時限爆弾で永久凍土の融解が更なる温暖化を加速させてしまうのです。現在の融解が永久凍土全体の僅かな小さな点だとしても、一度融け始めれば融解は一気に拡大してしまいます。2020年にロシア・サハ共和国ベルホヤンスクで38℃の北極圏記録を更新しています。この地は永久凍土地帯なので懸念されます。

永久凍土はロシア・シベリアから北米の北極圏に広く分布されモンゴルにも広く分布しています。北極圏の永久凍土は厚さがあり数百メートルにおよぶ場所もあります。それに対しモンゴルの永久凍土は厚さがないため、融解してしまうと保水能力が低下し砂漠化が進むと懸念されています。モンゴルといえば遊牧民をイメージしますが、あの広大な草原は地下の永久凍土によって保持されているのです。温暖化が進めば南にあるゴビ砂漠の一部になってしまうかもしれません。

地球上の淡水の99%はグリーンランドと南極の氷床に存在し、これらが2100年までに融解して60mの海面上昇が起きると言う「最悪のシナリオ」を考える専門家もいます。これは極論で現実的ではありませんが、南極の気温は上昇傾向が続いており、2020年には初めて20℃を超える20.75℃を記録しています。南太平洋のツバルやキリバスなどは水没の危機に直面しており、キリバス政府は国民の海外移住も視野にいれているほど深刻です。四方を海に囲まれた日本にとっても他人事とは言えない深刻な問題です。

書き出したら切りがありません。その他、頻発する巨大台風、世界中で頻発する大規模森林火災、世界で拡大する砂漠化、世界で頻発する豪雨災害、今世紀中に起きる世界的食糧危機、ありとあらゆる災害・危機に温暖化が関わっているのです。

最後に2019年のオーストラリア森林火災について書かせてもらいます。オーストラリア史上最悪の森林火災となった原因は? ①2018年末から2019年春までの降水量が極端に少なく乾燥した事 ②油分の多いオーストラリア固有の植物 ③記録的な高温(48.9℃)これらが原因で秋に100ヶ所以上の森林火災が発生し翌年まで拡大しました。2020年3月には5日間で年間の半分に値する豪雨になり、まさに異常気象(気候危機)の年となりました。2019年に降水が少なかった原因はインド洋の海水温度が原因で、逆に2019年10月に雨が少ない東アフリカでは豪雨となり、植物の急激な増殖によりトビバッタが異常発生、トビバッタは国境を越えて移動し、東アフリカ→中東→アジア(パキスタン・インド)にまで広がり農作物に大きな被害をもたらしました。オーストラリアの森林火災と東アフリカのトビバッタ異常発生には関連性があるのです。

冒頭で地球温暖化はCOVID19の99倍危険と書きましたが、実際はそれ以上に危険なのかもしれません。国連は2050年にカーボンニュートラルを目指していますが、その高いと思われた目標値も更に高い修正が必要かもしれません。今年も世界中で発生した大規模な森林火災、毎年規模が拡大したら2050年までに世界の森林は大きく減少しカーボンニュートラルが更に難しくなります。一日も早い脱炭素社会の実現を個々の力で成し遂げるべきです

団体立上げの仲間・協力者を募集しています。地球温暖化に関心の高い方、危惧されている方、何か活動したいと考えている方、ぜひご協力ください。

団体立上げの仲間・協力者募集はコチラ

 

© 2024 NGO 地球サピエンス連合