SDGs 政治経済 温暖化・気候危機

地球統一通貨は実現可能なのか?②

この投稿は前回の続きとなります。前回の投稿を読まれていない方は「地球統一通貨は実現可能なのか?①」からお読みいただければと思います。

私がFFF(Friday For Future)に提案したいこと!

私がFFF(Friday For Future)に提案したいのは、グローバルな政治団体(仮:FFF党)を作ることです。現在の国連加盟国は193ヶ国で、すべての国にFFF党を作ることを目指します。政権を取るのが目的ではなく、国境を越えたグローバルな政党が誕生すれば、これは地球上初であり、よりFFF(Friday For Future)の活動が注目されることになるからで、その政党が地球統一通貨の必要性に言及してもらえれば、脱炭素は飛躍的に加速し、2050年のカーボンニュートラルが現実的になると思うからです。

FFF(Friday For Future)の活動は、世界各国で年数回同日に行われる世界気候アクション、街頭に立ち気候危機を訴えるマーチを中心にした抗議活動が中心ですが、日本で生活していると、以前よりFFF(Friday For Future)の活動を報道などで目にする機会が少なくなっています。これは日本の報道機関の姿勢に問題があるためで、日本と海外では地球温暖化(気候危機)に対する報道に温度差を強く感じてなりません。

そのため日本人は温暖化を「気候危機」とまで捉えていない人が多く、温暖化対策は国や企業が中心になって行うこと、誰かがしてくれると考えている方が多いのではないでしょうか? 私は出会う人に必ず温暖化について尋ねるのですが、心配しても「何をしたらいいのか分からない」という人が大多数です。個人に出来ることは、節電に繋がる行動を取るなど限られますが、一番重要なのは日々の生活の会話(家族/友人/知人)の中に温暖化の話題を取り入れる事であり、それが国や企業を後押しする力になると思うのです。

COVID19とウクライナ戦争で私達の生活は激変し、世界中が物価高に苦しみ、各国政府の財政も疲弊しています。生活するだけで精一杯な人も多く、10年、20年、100年先の未来の地球環境を真剣に考え行動できる人は少ないはずです。考えはあっても行動に移せないと言ったほうが正しいかもしれません。私達人類はカーボンニュートラルという共通目標を2050年に定めましたが、タイムリミットの2050年まで27年しか残されていません。このまま温暖化が悪化したら絶滅する動植物が増えて、海の魚さえ食べるのが困難な時が来るかもしれません。昨日、アマゾン川の水温が40℃まで上がり、絶滅危惧種の淡水イルカが100頭以上死んだとのニュースを目にしましたが、未来の地球上の全ての生態系は今の人類の行動にかかっているのです。できることなら現在の80億の人類が、未来の人類から尊敬される前人類となり、1000年後の教科書に「2000年代初頭の前人類の功績で地球の環境は守られた」と記載されるような行動をとるべきです。有史以来人類は争い(戦争)を繰り返し、今もウクライナ戦争だけでなく、世界各地で紛争内戦が起きています。人類が一致団結しなければカーボンニュートラルの実現は不可能なのに、権力欲におぼれた一部の人類(PUTIN etc)は争いを繰り返しています。当サイトのキャッチコピーは「STOP地球温暖化&内戦/紛争のない美しい地球を!」ですが、地球統一通貨の力を利用すれば、内戦/紛争のない地球の実現も可能だと信じています。

前回の投稿で、カーボンニュートラルの実現には莫大な資金が必要と書きましたが、地球統一通貨を作って各国に資金提供するだけでは、カーボンニュートラルが人類共通のムーブメントとなることは難しいため、一部は80億の人類全体に分配(給付)する必要があります。その理由は、言い方が悪いのですが人類はお金に翻弄されており、お金の匂いに敏感だからです。2020年に支給されたコロナ給付(1人10万円)の支給を受けた世帯数が全体の98.6%に達したように、お金に困っていない富裕層ですら必死に申請しました。お金が貰えるとなれば人は行動するのです。そのお金に敏感な性質を利用して、「馬の鼻先に人参をぶら下げる」つまりお金を餌にして人類をカーボンニュートラルへと導き、カーボンニュートラルをムーブメント化する必要があるのです。

地球統一通貨など不可能だと言う方もいるでしょう! しかし人類はカーボンニュートラルという壮大な目標を既に 立てています。地球統一通貨とカーボンニュートラル? どちらが現実的かと聞かれたら、私は胸を張って地球統一通貨と答えるでしょう。 一国の大気汚染を解消するのも大変なのに、直径12,700kmもある地球という惑星全体の気候をコントロールするのです。今は私もカーボンニュートラルの実現を願っていますが。私がカーボンニュートラルを始めて耳にした時は、人類はずいぶん無謀な目標を立てたと感じたのを覚えています。全人類が300年前の電気のないライフスタイルに戻れるなら可能ですが、カーボンニュートラルは机上の空論と考えていました。しかし近年、世界で乱発する異常気象を目の当たりにすると、最低でも温暖化ガスの排出と吸収が均衡に保たれる状態(カーボンニュートラル)を目指さなければならないほど、地球の気候は急激に激変してしまいました。2015年のCOP21で合意された「パリ協定」から8年も経ち、本来であれば今頃世界は経済優先を止め、背水の陣で脱炭素一本で取り組む必要があるのに、人類はいまだに経済成長と脱炭素のダブルアクセルを続けています⇒お金に翻弄されているから!お金を必要としているから! カーボンニュートラルの実現は地球統一通貨の実現の10倍・100倍困難な人類に課せられたミッションです。言い換えれば、地球統一通貨も実現できないのなら2050年のカーボンニュートラルは夢のまた夢と言えるでしょう!

本来であればカーボンニュートラルと同時に進めるべき目標があります。それはヒューマンニュートラルで、人類はあまりにも増え過ぎました!300年前には10億人に満たなかった世界人口が80億人となり、近い将来には100億人を超えると予測されています。今でも世界の飢餓人口が約8億人(10%)と言われているのに、2050年までに世界人口が20億人増加したら、8億人+20億人=30億人(30%)近くが飢餓に苦しむことになります。更に気候変動の影響による穀物の不作が続けば、40億人、50億人が世界の飢餓人口になる可能性も考えられ、世界で見苦しいほどの穀物の奪い合になることでしょう。ヒューマンニュートラルはカーボンニュートラルを模して私が考えた言葉ですが、増え過ぎた世界人口の抑制が急務と言えるのに、これは人権に関わる問題であるため、公の場で発言する公人はいません。このヒューマンニュートラルに関しても地球統一通貨を利用することで実現可能となり、地球統一通貨はSDGsを含めた地球上の諸問題を解決に導くことでしょう。ヒューマンニュートラルに関しては、投稿の「少子化対策3.5兆円?」で紹介しておりますので参考にしてください。

次に脱炭素を加速させる地球統一通貨の利用法について紹介します。まず2つ例を紹介しますが、これらは私が思い描くものであり、地球統一通貨の利用法は無限大であるため、FFF(Friday For Future)の方々にも考えていただければと思います。

①カーボンニュートラルに投資する権利を全人類80億に付与

1つ目の例として、先の投稿で、IEA(国際エネルギー機関)が2016年に算出した、カーボンニュートラルの実現に必要な8000億円で考えた場合、100万円×80億人=8000兆円となります。つまり地球統一通貨で8000兆円分を作り、地球上の全ての人類に1人100万円づつ支給します。給付金のように直接支給するのではなく、100万円を投資する権利を与えるのです。そして温暖化対策のあらゆる分野の中から、どの分野に投資するかを個人の判断に委ね、投資した分野から得られる利益が個々人に支給されるシステムを作ります。例えば、ある人はサウジアラビアの太陽光発電に投資したり、ある人は中米のリチュウム生産に投資したり、ある人はグリーンランドのレアアースの採掘に投資したりと、特定の人や企業/国が利益を得るのではなく、同じ8000兆円を使うなら人類全体で利益を分配するシステムのほうが、より多くの人類に関心を持たせることに繋がり、カーボンニュートラルの実現に近づくと思うのです。企業に対しても、すべての企業が脱炭素を新規事業として考える環境を作る必要があります。脱炭素に関連する事業に関しては、国からではなく地球統一通貨を運営する組織から十分(魅力的)な補助金が出る環境を整備し、人も企業も十分な利益が得られる環境を整えれば、人類が一丸となれる可能性が高まります。

②全人類への年金制度

2つ目の例は,、地球全体での年金制度です。どの国でも年金制度の運営は厳しい状況で、今年フランスで受給年齢の引き上げによる暴動が起こりましたが、日本でも物価高騰の影響で年金受給者からの悲鳴の声を多く耳にします。現在、国民年金で年間約78万円が支給され、今の年金受給者は厳しい状況だと思いますが、もしかすると30年後には、30年前の受給者は豊かな年金生活だった!と言われるくらい年金運営が更に厳しくなるかもしれません。仮に65歳以上の人に、毎年100万円の地球統一デジタル通貨が支給されたとしたら、基礎年金78万円+100万円で合計178万円となります。夫婦共に65歳以上なら178万円×2人=356万円となり、月に換算すると2人で合わせて約30万円の年金が支給され、厚生年金に加入している方は30万円+αが支給されます。デジタル通貨の年金は月83,333円ですが、貯蓄はできず毎月リセットされるシステムにします。この年金制度を地球全体で実施すると年間約2,000兆円の予算が必要になりますが、年金制度が確立されていない国には大きなメリットとなり、日本など老後に不安を抱える人が多い国では、安定した老後が保証され、貯蓄に回るお金が消費へと繋がります。日本人の個人資産の合計は2,000兆円を超え、その半数以上が金融機関の貯蓄で眠っているのですが、この一部が消費に転換されれば経済活性に繋がるはずです。

お金を無限に作り(刷り)続けることはできないため、段階的に加盟国から税金を徴収する必要があり、加盟国から平等にと考えると10%前後の消費税的なものが必要になるでしょう、年金のように確実にリターンされる保証があれば、税の徴収は決して難しくないと思うのです。ただカーボンニュートラルに必要な原資分に関しては、カーボンニュートラルが実現できるまでは無限に刷り続けるべきと私は考えます。カーボンニュートラルは人類がかつて経験のない大業なのですから、お金の面だけでも苦労せずに楽に行動できるようにすべきです。インフレのコントロールさえできれば、最終的にお金は地球全体で循環し、すべての人類がお金と脱炭素の両面で恩恵を受けることになるのですから。

65歳以上の高齢者に2100年の未来の地球環境を!と訴えても、余生の生活だけで精一杯な人が多いのに、自分が死んだ後の未来を考える余裕はないはずです。しかし、100万円の投資金が貰える! 年金が増える! というお金に絡むリターンがあれば支持する方は多いと思うのです。私は今回、温暖化対策に投資する資金100万円とグローバルな年金制度を考えてみましたが、より人類が関心を持てるリターンがあれば、FFF(Friday For Future)の方々に考えて頂きたいのです。

何度も言いますが、FFF(Friday For Future)が政治団体を作り、地球統一通貨の必要性を訴えれば、多くの支持が得られ、グローバルな政党としての立場が確立でき、脱炭素は急加速、2050年のカーボンニュートラルの前倒しも可能になるかもしれません。

世界統一通貨を実現できれば、地球上の諸問題も解決できると書きましたが、どのように地球統一通貨を利用するか? 次回投稿させて頂きます。

 

次回投稿⇒地球統一通貨は実現可能なのか?③

 

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