何故!地球統一通貨が必要なのか?まず簡単に説明させて頂きます
カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー技術は日々進化し、太陽電池(太陽光パネル)も20年前と比べると2倍以上の発電効率になっています。実用化が期待されているペロブスカイト型は、どこにでも貼り付け可能なフィルムタイプで、日本政府も次世代の太陽電池の本命と位置付けており、その他、水素/風力/海洋/地熱/バイオマスなど、様々な再生可能エネルギーの技術革新も進んでおります。しかし、それらの技術を利用し、2050年のカーボンニュートラルやパリ協定を履行するには莫大な資金がが必要で、その原資となるものがG7/G20の国々でも捻出できないほど巨額なのです。潤沢な資金さえあれば、2050年の目標を2040年に前倒しすることも可能かもしれません。最近の気候災害の頻発を考えると、2040年に前倒しする必要があるほど、人類が想像している以上に温暖化は進行していると思うのです。
ではカーボンニュートラルの実現にいくらかかるのか? 少し古い数値になりますが、2016年にIEA(国際エネルギー機関)が最大で75兆ドル(1ドル=109円で約8,200兆円)が必要と試算しており、現在の為替レートに換算すると1京500兆円になります。また東京大学の沖大幹教授らの研究チームは、2010年~2099年に世界で気候変動にかかる対策費や被害額が、6500兆円~最大で3京2600兆円に上がるとの推計結果をまとめており、兆の上の単位の京という途方もない費用がかかるのです。3京2600兆円(32,600,000,000,000,000円)というと、世界中の全ての人類が一人約400万円(80億人×400万円=3.26京円)を負担する計算になります。G7の日本で暮らしている私たちでさえ1人400万円の負担は困難なのに、開発/発展途上国の国々にとっては、捻出するのが不可能な金額と言わざるを得ません。今年6月にイギリスで開催されたウクライナ復興会議で、世界銀行はウクライナ復興に54兆円が必要との試算を出しましたが、G7を中心とした国の支援だけでは補えず、民間企業の支援/投資が不可欠とされています。54兆円ですらG7で準備できないのに、1京円を超える資金が捻出できるでしょうか?
1999年1月1日に欧州で導入されたユーロのように、未来の地球に於いて世界の通貨は必ず統一される日が来るでしょう。それは合理的だからで、気候変動を含めた地球上のあらゆる諸問題を解決する原資にもなるからです。通貨の統一が50年先になるか100年先になるかわかりませんが、どうせ統一されるなら一日でも早いほうが人類のためであり、私は世界の通貨が統一される日が必ず来ると信じており、生きているうちに地球統一通貨の実現(誕生)を見たいと切に願っています。
日本の場合は温暖化以外に、近い未来に南海トラフ地震や首都直下型地震という大きなリスクを抱えています。もし南海トラフ地震が発生したら、その被害額は、20年間で1240兆円もの経済的損失があると試算されており、東日本大震災とは比べられない被害となります。その時に日本は自力で復興できるでしょうか? 私は99.9%無理だと思うのです。国際的支援にも限界があり、私が書いたバック・トゥ・ザフューチャーPART4のストーリーでは、南海トラフ地震が引き金となり世界恐慌になると書いていますが、その可能性は十分にあり得ると思うのです。
インフラが高度化する現在、100年前と現在では復興にかかる費用は桁違いに大きくなっています。不謹慎と思われるかもしれませんが、南海トラフ地震が30年後に発生するよりも、明日発生した方が、蓄積されるエネルギーも小さく、被害や復興費が少なく済むとも言えます。今後ますます頻発する気候変動による災害や地震災害、これまではG7/G20が中心になって、一定の国際協力/支援ができていましたが、今後は気候災害の多発により、対応できない見捨てられる地域がでるのではと懸念しています。今年2月に発生したトルコシリア地震では6万人以上が犠牲となり、その支援は決して充分と言えず、人種/民族/宗教/政治などの理由で、その地域により支援には大きな格差が出ており、災害が多くなれば、その地域格差は更に大きくなることでしょう。その例として、ウクライナへの手厚い支援に対して、タリバン政権が復活したアフガニスタンは世界から見捨てられている現状があります。
新型コロナ(COVID19)とウクライナ戦争により、G7/G20の国々でさえ財政はひっ迫、地球全体で異例の物価高騰が続いています。日本では物価高と円安のダブルパンチになり、国債発行(借金)残高は2021年に1,000兆円を突破し、毎年、国家予算の約30%が国債発行に頼られ、それが当たり前となっています。30年以内に南海トラフ地震や首都直下型地震が発生する確率が70~80%とされ、これは明日発生しても不思議ではないという高い確率なのです。今のような状況で巨大地震が発生したら 国が傾くのは当然と言えるでしょう。
この数年を振り返っても、温暖化による自然災害は年々増大し、このまま災害が増え続けたら、10年後、20年後にどうなるのか考えるだけで恐ろしくなります。7月に国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化の時代が終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告しました。人類の目標である2050年のカーボンニュートラルまで27年しか残されていません。一部の国を除き、多くの国の財政が厳しい現状で、国債を発行したり、更なる経済成長で税収を上げて脱炭素に向けた資金を作るのでは、2050年はおろか2100年でもカーボンニュートラルの実現は困難ではないでしょうか?
お金がないなら、新たなお金を大量に作るしかないのです。そもそも貨幣は、先人が物を効率よく交換する媒体として考えたもので、確認されている最古の鋳造貨幣は約2600年前に作られたエレクトラム硬貨と言われていますが、物を交換するための媒体であったお金が、いつしか「お金がお金を生む」システムに変わり、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)まで生まれてしまいました。
地球統一通貨は、文字どおり地球上における最上位通貨であり、現在は米ドルが国際通貨(基軸通貨)の中心ですが、まずは地球統一通貨を国際通貨の中心に位置づけ、最終的には各国の既存通貨を廃止し一本化する必要があります。当初は金融業が盛んな国やG7の国々が地球統一通貨を反対すると思いますが、グローバルサウスを中心とした国連加盟国の大多数は賛成することでしょう。それは馬の鼻先に人参が沢山ぶら下がっているくらいに導入するメリットがあるからです。
絶対的な不動の地位として地球統一通貨を作ることができれば、日本円で1京円(10,000兆円)でも10京円でも作り、それを原資にしてカーボンニュートラルを地球全体で進めれば良いのです。カーボンニュートラルが進まない最大の理由は原資がないからで、脱炭素に向けた技術革新は進んでいるため、潤沢な原資さえ準備できれば、2050年の目標を2040年に前倒しすることが十分に可能なはずです。お金に翻弄されている人類は、人も企業もお金の匂いがするところに集まります。その習性を利用するには、言い方が悪いかもしれませんが、地球統一通貨を実現し、お金を刷りまくり、お金という餌を利用して、人と企業と国(人類全体)を釣るしかないのです。
地球統一通貨を説明すると長くなるため、当ウェブページで紹介している「地球統一通貨が脱炭素を加速させる?」を参考にして下さい。
地球統一通貨を実現させる方法
民主主義国と権威主義国が対立し混沌とする現在、かつて世界の警察と言われたアメリカは力を弱め、中国は虎視眈々とデジタル人民元の国際通貨(基軸通貨)化を狙い、グローバルサウスのリーダーであるインドも勢力圏を拡大しつつあります。このような状況下で地球統一通貨の実現が可能なのか? 私自身、理想ですが実現するのは困難と考えていました。しかし、アラブの春のような手法を使えば、もしかしたら可能性があると考えるようになりました。
地球統一通貨を実現する近道は、2010年にチュニジアで、ある青年の焼身自殺を機に、アラブ世界で起きた反政府デモ(アラブの春)、この手法を利用することだと思うのです。アラブの春は自由を求めた民衆が、民主化を求めて反政府デモを行い、実際に転覆した政権もありますが、その後、多くの国が混乱や内戦に陥り、いつしかアラブ世界は「アラブの春」から「アラブの冬」に一転してしまいました。
アラブの春で民衆が求めたのは、独裁/強権政権から脱する「自由」でした。私たち日本人にとっては当たり前の権利ですが、自由の先に何があるのか?⇒個々の豊かな生活だと思うのです。豊かな生活のために何が必要なのか?⇒それはお金だと思うのです。お金・お金・お金~と考えると心が貧しいと思われるかもしれませんが、私たち人類は国も人も常にお金を求め、お金に翻弄されているのは事実なのです。結果的にアラブの春は失敗し悪化したとも言えますが、地球統一通貨は実現できなくてもデメリットになることはなく、逆にメリットのほうが多いと言えます。そのことについては後ほど説明させて頂きます。
アラブの春はSNSの呼びかけで民衆が立ち上がりました。地球統一通貨もSNSでの拡散が必要ですが、既存の価値観を共有できるグローバルな団体(グループ)からの理解を得て、その団体のネットワークを利用させてもらうのが、実現への最大の近道と考えています。私の中で最初に思い浮かぶ団体が、2018年8月に当時15歳だったグレタ・トゥーンベリさんが1人で始めた気候変動の抗議活動、その活動が世界のZ世代の心を掴み、地球全体に広がったFFF(Friday For Future)です。日本にも支部(FFFJ)があり、Z世代が中心になって定期的にマーチやアクションという形で集まり、街頭に立ち気候変動を訴えています。FFFの活動は素晴らしく尊敬しております。FFFが訴えるように、人類全体で一丸となれば気候変動は止められますが、まだ一丸となれる状況ではなく、多くの人類は経済や豊かさを重視し、その選択には至っておりません。
私はFFFに提案させて頂きたい活動があり、この活動によりFFFはさらに飛躍、地球全体での脱炭素が加速すると考えています。その活動内容については次回投稿させてもらいます。
次回投稿⇒地球統一通貨は実現可能なのか?②
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