中国産のEV車が世界を席巻し、最近日本でも長澤まさみさんを起用したBYDのCMを目にする機会が増えています。このCMのEV車では、一回の充電で476kmと紹介されていますが、これはあくまでカタログ数値であり、季節による温度変化、急発進、急加速、高速走行などを繰り返していると走行可能距離は大きく下がるはずです。
私は国産のハイブリット車に乗っており、低中速時はモーターで駆動するタイプですが、運転方法によって、その燃費は1リッターあたり16km/L~28km/Lと大きな違いがあります。28km/Lの燃費を実現するには、かなりの低速運転が求められますが、リッターあたり28km/Lの低燃費走行は16km/Lの燃費走行に対して約75%のCO2を削減したことになり、この考えを前提に読んでいただければと思います。
私は低燃費走行をしている時に、あおり運転をされたり、追い越しをされるケースが多いのですが、法定速度で走っているのに、逆に悪い事をしている気持ちになります。最近では後ろの車が追い越しをかけてくるか?と楽しむ余裕もでてきましたが、追い越されて気分がいい人はいないはずです。自分がなぜ法定速度で走っているのかを、後ろの車に知ってもらいたいため、下のような車両後部に貼るステッカーを考えています。(※これは仮に作成したデザインです)
このステッカーを貼ることにより、後ろの車に法定速度を守る運転を理解してもらえれば、急発進、急加速をせず法定速度を守る運転が、後ろの車を気にすることなく出来ると思うのです。そしてステッカーを普及させるためのNGO団体を設立し、地球全体で「責任ある大人の運転」を普及させることができれば、現在のEV車の普及率でも、車両全体から排出されるCO2(EV車の間接的CO2排出も含む)を20%~以上は十分に削減できると考えています。そして、この活動が普及することは、未来の自動車の開発の方向性にも影響を与えることになるでしょう。その事については後で説明させていただきます。
EV車に乗り換えれば温暖化対策になると考えがちですが、EV車はガソリンエンジン車の生産に比べると生産時の間接的CO2排出が多く、1000万円を超える高級EV車を作るために、どれだけ多くの間接的CO2を排出しているかを考えるべきです。既に生産時に排出されたCO2をリカバリーするには、使用方法(運転)が重要で、走行時の使用電力を最小限に抑えなければ、温暖化に貢献しているとは言えないのです。
前回の投稿「電気自動車が脱炭素に貢献するの?」にも書いていますが、EV車も運転方法を間違えると脱炭素に貢献しているとは言えなくなります。その理由は、EV車は加速が得意であるため0-100km/h加速が5秒前後の車両がざらにあり、環境を意識しているのに加速を売りにしているのは方向性が間違っています。EV車だからこそ急発進、急加速を避け法定速度を守るべきなのです。EV車で急発進、急加速、高速走行を繰り返していたら消費電力が大きくなり、フル充電での継続走行距離が下がり、日本のように火力発電の比率が多い国では、ガソリン車よりも間接的なCO2排出が大きくなる可能性さえあります。テスラのモデルSプラッドは1000馬力を超えるモーターで、0-100km/h加速が2.1秒という異常な加速を売りにしています。その加速動画を見れば分かりますが、これはEV車でありながら温暖化対策に反する無用の長物と言わざる負えません。ちなみに私の車は0-100km/h加速が8.6秒ですが、これでも必要以上の加速と言え、日常生活でこの加速を必要とする場面はありません。
車のEV化は必要だと思っていますが、現在のEV車が高級志向でハイパワー!収益重視で本当に必要とされているEV車とは方向性が違うのではと感じています。資本主義社会なので全てがお金に結びつき収益重視になるのは仕方がありませんが、EV化による早急なCO2削減を考えるなら、まずは高級車の普及からという従来の概念を捨て、大衆車に特化した新たなEV車の開発に取り組むべきです。そのEV車については後で紹介したいと思います。
「責任ある大人の運転」を普及させ、車両の20%程度が急発進、急加速を避け法定速度を守れば、全体が急発進、急加速を避け法定速度が守られる交通社会が実現できます。下の図は20%の青の法定速度維持車両にブロックされ、全体が法定速度で守られるイメージを考えたものです。
目的が2050年のカーボンニュートラルのためと、明確に意思表示したステッカーを貼った車が増えれば、その車に対してあおり運転をしたり、追い越し運転をする人は少なくなるはずです。そのステッカーが貼られた車両を見ると諦める気持ちになり、いつしか自分も低燃費走行を心がけるようになるかもしれません。法定速度を守る運転が逆にかっこよく思われる社会になれば、それだけで車両から排出されるCO2は大きく削減できるでしょう。
ステッカーを普及させるには、自動車メーカー、政府、環境団体の協力が不可欠ですが、大手企業にも提案、会社全体で活動に参加してもらい、まずはステッカーを社用車に、任意にはなりますが社員の自家用車への普及も促進してもらい、この活動で認識が高まれば、一般向けにカーショップやホームセンターで手軽に購入できる環境を整えます。はじめに大手企業に働きかけるのが重要なポイントですが、大手企業のCMを見ると、セブン&アイ・ホールディングスを筆頭に、環境活動を意識した内容の企業イメージCMが目につきます。環境団体のボランティアという立場で「御社に地球温暖化の対策の提案をしたい!」という内容で提案すれば無下に扱われることは無いはずです。製品を売り込むのとは違い、「地球温暖化の提案!」という言葉は、水戸黄門の印籠のような役割となり、天下無敵の必殺トークになるはずです。また少し強引な方法ではありますが、SNSを利用して企業に連絡を入れる前に告知、その後の結果を公開するのも良いかもしれません。もしも高い環境意識をPRしている大企業に無下にされたら、その内容を公にすれば良いと思うのです。
ステッカーについて少し補足すると、いわゆるバンパーステッカーと呼ばれるものですが、広く普及させるには、誰もが気軽に貼れるよう、剝がしやすく車のボディーに負担をかけないステッカーを開発する必要があります。この開発はスコッチ(Scotch/3M)などのメーカーに、環境活動の一環として相談すれば、もしかすると無償で協力してもらえる可能性があると思います。ステッカーが大量生産されれば、メーカーとしても収益が上がるのですから。
警察にステッカーの普及を提案するのも良いと思います。急発進、急加速、法定速度を守る活動は、安全な交通社会に結びつき、事故の減少に貢献するからです。スピードを出していると焦る気持ちが出がちですが、法定速度で走っていると気持ちに余裕が生まれ、譲り合いの精神も生まれやすくなり、心の余裕が事故減少へと繋がると思うからです。警察と連携できるかは分かりませんが、運転免許更新時の講習でステッカーを紹介してもらえれば、さらに認知度が高まると思うのです。
また団体を設立する際にACジャパンにアドバイスを受けるのも一つの手段かもしれません。ACジャパンのCMを目にした方は多いと思います。ACジャパンは1971年に「企業が持てる資源を出し合い、社会にとって有益なメッセージを、広告という形で発信していこう」という志のもと、関西公共広告機構として大阪で設立、2011年には公益社団法人に移行し、CSR、SDGsといった言葉が一般的ではなかった時代から、社会が抱える様々なテーマについて積極的に発信してきた団体です。ACジャパンから活動内容が認められ、支援を受けることができれば、その活動の輪を日本から世界に広げられるステップになると思うのです。
テスラ最上級モデルのプラッドを無用の長物と述べましたが、世界の自動車業界全体が同じ方向性に向かっている現状があります。それは人類が環境を意識している一方で、よりパワーがあり加速性の高い車を求めているからです。逆に人類全体が環境重視でパワー=加速重視の車を求めなけれは、自動車メーカー全体の開発の方向性が変わると思うのです。
私が考えた「バックトゥザフューチャーPART4」のストーリーに出てくるようなEV車、世界中でライドシェアの専用車両として使えるEV車を、世界の自動車メーカーが協力し、メーカー共通の環境に特化した車両を開発して欲しいのです。世界中の車をすべてEV車にするのは不可能なため、EV車とハイブリット車で考えるべきでしょう。基本的にアクセルを踏み込んでも電子制御で急発進、急加速ができない、電気消費、ガソリン消費が低燃費になるセッティングで、スピードも法定速度もしくは+5~10kmでリミッターが作動する車両を開発してもらいます。急加速に関しては必要な状況もあるため、ウインカーを出して5秒間は急加速できるセッティングが必要になると思い、ライドシェア用の専用車両は法定速度厳守のセッティングにする必要が求められるでしょう。この車両を購入する場合は、すべてに於いて免税(日本では取得税、重量税、自動車税など)、さらに十分な補助金が出され、補助金制度を世界中で永続的に維持するには、私が必要だと考えている「地球統一通貨」の実現が不可欠かもしれません。
そしてライドシェアやカーシェアリングなどを有効利用して、地球全体での車両の数を減らす必要がありますが、最大の問題は爆発的に増えている人類です。人口が増えれば車も増えることになり、先日、1998年に公開された映画「アルマゲドン」を見たら、映画の中で60億の人類を救うためにと言っていました。26年で世界人口は20億人(34%)以上増えており、2050年には100億人を超えると予測されています。先進国では少子化が問題視されていますが、限られた土地で生産される食糧には限界があり、現在でも世界人口の約10%(約8億人)が飢餓状態であるのに、さらに温暖化が進行すれば食糧問題の悪化は火を見るよりも明らかです。この場での明言は避けますが、人類が悲しい末路にならないよう、地球全体での人口抑制を真剣に考える時が来ていると思います。
まずはステッカー作りからになりますが、私はこの活動のための団体設立を切に願っており、私が考えている内容に賛同していただけ、地球温暖化防止に強い思いがある方が10名以上集まれば、その方々と行動を起こしたいと考えています。具体的で明確な活動内容を作ることができれば、私は寄付金集めに力をいれますので、私の同志になっていただける方は、是非ご連絡をお待ちしております。
下の動画がテスラモデルSの加速動画です。この異常な加速を求める人がいるのも事実ですが、どのような場面でこの加速を必要とするのでしょうか? F-1でも0-100km/h加速が1.5秒、これはタイヤによる限界加速とも言え、これに近い加速を得られるEV車が一般道を走っているのです。1500万円前後するEV車が脱炭素に貢献すると言えるでしょうか?はなはだ疑問です。