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温暖化で消えゆく死海

世界の最も標高の低い場所をご存じですか?それは標高-422mのヨルダンとイスラエルに挟まれた死海です。ヨルダンの死海周辺はヨーロッパや中東のセレブがバカンスに訪れる、世界有数の高級リゾートになっています。ヨルダンは国土の80%が砂漠という不毛の地ですが、死海周辺は豊かな地下水があるため農業に恵まれた地でした。しかし、温暖化の影響で降水量が減り、死海に流れ込む河川の水量が極端に減っています。ホテルでは大量の水を使用するため浅い地下水が枯渇、地下水を利用する農業にも影響がでており、死海の水位は毎年1m以上下がっています。このまま温暖化が進行すると、いつの日か死海が姿を消す可能性があると言われています。

X世代の方はご存じと思いますが、昔の教科書には旧ソビエト連邦にアラル海が掲載されていました。現在のアラル海は90%以上が干上がり、死海のように魚が生息できない塩湖となっています。アラル海の消失の原因は、経済を優先させたために起きた弊害で、20世紀最大の環境破壊と言われています。温暖化とは直接関係ありませんが、人為的という点では共通する面があります。

今世紀中には地球上の多くの氷河が消失すると言われており、それを防ぐのはもはや不可能でしょう。しかし、これ以上悪化させない努力をしなければ、人類そのものが終焉を迎えることになります。古来から死海周辺で遊牧生活していた「ベドウィン」に言い伝わる話があります。それは「争いが続き、死海の水がすべて干上がったとき、誰も予想できないことが起こる、それは世界の終わりである」です。死海の最大水深は約300mであるため、今のペースで減少しても200年以上かかるでしょう。しかし、温暖化と経済優先によって未来に死海が消滅したとしたら、その頃には地球環境が激変して、ベドウィンの言い伝えのように、人類は存在しないかもしれません。それくらいの危機感を持って行動しなければ、2050年のパリ協定の実現は99%不可能でしょう。残された時間は僅か29年です。

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